Summary

失われた30年。現代日本は狂っている。長時間労働がまかり通り、サービス残業の嵐。その割には給与はそんなに高くない。給与が高くなると、マンションを買い、住宅ローンの罠にハマる。35歳くらいで結婚しても、子供をあまり考えないで、作りたいな、と思って、産んでも、今度は保育園の問題でハマる。では、保育士は儲かっているのであろうか?公式のデータを見たわけではないが、あまり儲かってない模様。でも、小学校教師は昔は儲かっていたらしい。

マンションは分譲を買い、高く。車も持っている。でも、家計のBSもPLもおかしく、あまり外食もできない。高いスーツを着ているが靴は安く、満員電車に揺られて、会社に行く。自分の車で通勤はできず、タクシー通勤はできない。会社に着く頃には息が切れていて、ペチャクチャ喋りながら、余り集中せずに仕事をして、残業。そして、ランチはコンビニ弁当か会社に売りにきた弁当。小遣いはランチとビールに消える。

高いマンション、いい車、カッコいい服。でも、借入金まみれで、あまり金を使えない。そして、自分は金持ちだと錯覚している。

厚生年金は月額数万円払うが、何故か、雇用保険は月額数千円で実際貰える額も期間も少ない。そして、皆自己防衛のため、貯蓄に走る。

日系大企業に入れば安泰なのであろうか?事実上のアップ or アウトで課長になるまで、おそらくバッサリ切られるのではないだろうか?それが無くても、50歳になると役職定年を食らって、定年退職まで、給与は毎年減り続ける。そして、シャープ、JALですら一度、崩壊した。安心安全な企業などもはや存在しない。

そして、老後を支える年金は事実上崩壊している。

私達はこのラットレースから抜け出れないのだろうか?答えは肯定的だ。

GDPで見ると、未だに世界第3位を維持しているが、一人当たりGDPで見ると、もはや中進国並みである。韓国は1990年代にあったアジア通貨危機で一度沈んだが、その後、復活を遂げ、一人当たりGDPは日本にほぼ並んでいる。そして、まだ伸びる余地はあるだろう。韓国はグロースフェーズなのではないかと思う。

筆者はイングランドのUpper Master、バイリンガル、ITで世界中で労働許可証を取る事が可能である。日本から逃げようと思えば、逃げられる。もっと言えば、勝ち馬に乗るなら、韓国で働く。労働許可証も何も要らない。

しかし、今、日本は国家的危機である。バブル経済崩壊によるファーストインパクト。リーマンショック及び、旧民主党政権の失策によるセカンドインパクト。今度は国家崩壊によるサードインパクトが起ころうとしている。日本は実はスタグフレーションである。

従って、ここに、日本の国家戦略を立案し、提案する。内容は主に、戦略、IT、ファイナンスの面から迫っている。日本の特別永住権保持者だからだというのもあるが、それだけではない。

このMBA論文あるいは、提案書は3章構成になっている。最初に税と社会保障の問題に迫り、解決案を提案する。次に、戦略とITが絡まった、Yet Another 働き方改革について述べる。最後にデット経済による経済の加速に迫る。

本論文は日本国政府、霞ヶ関、日銀に対する提案書である。20年以内に日本が復活を遂げる事を切に願う。