グローバルパーソンとは何か?
2021/7/16
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金輝俊 / Hwi Jun KIM
- 英語力
- リアルタイムの議論に耐えられるヒアリング、スピーキング能力
- グローバル企業でテレカンをやるのはあたりまえ。Google Hangoutが昔いたグローバル企業の標準だった。ホワイトボード?Google Slide(パワポみたいなもの)を使えばいい。
- WebSocketあるいはCometでリアルタイムにお互いに書いたものがアップデートされる。AJAXも使っているはずだが、それだけでは無理。
- 文法力は特に要求されない。筆者は文法的に完璧な英論文やメールを書けるが、文法は正直勉強していない。英語はSVOCの再帰構造である、これだけ理解していればいい。日本の 英語学習法は完璧に間違っている。正直、TOEIC700点レベルでも、文法的に微妙におかし い所があるメールをたまに見る。筆者はいちいち、間違いを指摘しない。筆者がイギリスの M.Phil卒であるからである。
- そこそこの量のメールやメッセをさばけられるリーディング、ライティング力と専門分野の英語 文献を大量に読める英語力。
- 異なるassumptionを理解した上で、ロジカルに議論できる能力
- 英語ができても、文化的バックグランドが違うと論理の出発点である、assumptionが違う場合がある。それを理解するか、お互い、すり合わせた上で、ロジカルに議論する能力がグローバ ルな場では必要。ロジカルなのは重要。なぜなら、多少こんがらがるが、ロジカルでないと、文 化的バックグランドが違うと理解不可能になるから
- 専門性
- ITエンジニアなら、設計能力や実装能力。PMなら、リスク管理能力やスコープ管理能力など。それぞれの専門性を持って、一つのチームをうまく構成する必要性がある。なんとなく、のジェネラリストは要らない。ただし、経営企画室 室長のようなジェネラリストは必要だと思う。
- グローバルな環境において、日本などの先進国が基礎研究を行って、インドなどの発展途上国が応用研究を、という論調を昔読んだ記憶があるが、それは半ば間違っていると筆者は 思っている。なぜなら、例えば、中国やインドは英米の工学系大学院に多数人材を排出してい て、十分に高度専門職的人材を有しているはず、だと思っているからである。
- 研究環境の話も半ば違うと思っている。ITあるいは物理なら、スーパーコンピュー ターや超並列マシンが必要な時があるのかもしれないが、そこはアーキテクトの腕の 見せどころ。せいぜいDellのデスクトップ、10万円を100台なら、1000万円で収まり、 そのくらいなら、発展途上国の企業でも出せるはずだとふんでいる。
- チームプレイ
- 普通のWebの開発なら、Planner、Designer、フロントエンジニア、サーバーサイドプログラマ、オペレーションでチームを組んでやる。通常はリーダーはエンジニアかPlannerがやる。 チームで動くのは重要。それぞれの長所と短所を組み合わせ、うまく動くチームあるいは組織 を作り、高速でドライブをかけると面白い事になる。全員が全員4番バッターやリーダーである 必要はない。全員が全員、エリートである必要はない。昔、巨人が四番バッターだけ集めて、 駄目だったのが分かりやすい例えだと思う。
- Plannerは発想力と仕様を伝えられるパワポも含めた、コミュ力。プログラマは仕様を 設計/実装に落とせる能力と提案力、デザインも同様。オペレーションはこつこつ、丹 念にやる能力など要求される物は人によってさまざま。これは実は事業会社でも一 緒で英米流のマネージメントと日系流のオペレーションを組み合わせて事業を回したら、面白いちゃうんか、と思ってやったら、結構うまく行った。実際、多額の増資に導き、シリーズCへと引き上げた。
- 注1:【G1】の中で、グローバルな組織について触れていたと記憶している。そこまで深く読んでないし、 覚えてないが、読んだときの感想は2015年当時のグローバルIT企業では当たり前の事だったと思っ た。ただし、グローバルパーソンに対して、必要な能力がProblem Solving Skillだったりして、そこは同 意だが、そこまで、新しい知見は得られなかった。筆者が上で上げているskillも同著と重なるところもあ るが、その別側面であると思う。コンサルとIT/経営企画の差が出たのかもしれない。
- 注2:【G1】の中で以下の様にある「グローバルエリートの時代。それは、多種多様な文化的背景を持つ 人達の能力を活用し、国内で培った技術や他国の人材などの経営資源を結びつけながら、グローバル な事業を成功に導く事ができる”グローバルエリート達が”。。。」
- これって、グローバルチームを引っ張るプロジェクトマネージャーとかプロダクトマネージャー の事であって、グローバルエリートの定義自体に新規性が無い気がするが、筆者はどういうつ もりで、こういう定義にしたのだろうか?
- そもそも論、グローバルエリートの定義があちらこちらにとっちらかって、読みにくい 本であると思う。M.Phil論文として提出したら、もっと推敲しなさい、と言われるレベ ル。東大-MITの教育は筑波-Coventryに劣るのだろうか?
- ちなみに、筆者の大学院の研究室は学生数15 - 20人くらい居たが、教官はおそら く、5 - 8人くらい。教官一人あたり、2-3人くらいしか学生がいない。大型の机で、パー ティションもある。専用の本棚もある。磁気カード認証で研究室に入る。充実した教育 が施される環境。ビルは正直いまいちだったが、その辺りが凄かった(現在は、ビル も結構カッコよくなったっぽい)。ジャガーから給与が出る院生もいるし、そのまま、 ジャガーの研究グループに就職する学生もいる。TAで給与が出てる院生もいた。私 も結構いい新品のPCを使っていたり(しかも、MATLAB付き!MP3 Playerも技官が インストールしてくれていた。PCのセットアップ?院生の仕事じゃないね)、ポーランド への出張も飛行機代は学校持ち。ホテル代と生活費はポーランド側持ち。そもそも、 学会に行くときはホテルも飛行機も学校持ちという契約書を交わしいた。文房具も全 部ただ。多年度有効なWarwickのライブラリの入館許可証も持っていた。全て、おそ らく、MBAでマネタイズして、私達Ph.D候補生に金を回しているというそういうビジネ スモデル。
- これはグローバルの大学院では当たり前のはず。私達、イギリスのPh.D候補生は大 学や指導教官、スポンサーのために働いている。RA、TAの件と市民権の件もあっ て、筆者は誘われたが、日本の大学院に行く気はゼロだった。筑波で指導教官に修 士で授業料全額免除出るかもしれないし、育英会で8.6万出るよ?と言われたが、育 英会は奨学金でなくて、ローンだし、そもそも世間では所詮学生さん扱いだし世界に飛び出す事に決めていた。イギリスでは週20時間のwork permitも持っていた。日本 の大学院はグローバル基準から、外れてると思う。
- 倉本さんに一度、ブログのコメントでサマリーをブログエントリーに書いたら どうですか?書いた記憶がある。返答は特になし。それ以外の感想は Twitterで普通にやりとりしていたが、そこだけはなかった。何故か?
- ブログもロジカルに書いているが、一段落辺りが長すぎて、ポイントが混じっ ている可能性あり。TOEFL CBTあるいはiBTでWritingは何点だったのだろ うか?ちなみに、筆者はTOEFL CBTのWritingはパーフェクトである。
- 注3: 日本の英語学習法は色々オカシイが、筆者の学習法を書いてみる。リーディングについてはオリ ジナルでは無いが、簡単。I go to supermarket. なら、私は 行きます スーパーに、と頭の中で訳す。これを大量にこなすとリーディングを訳さないで出来るようになる。これはある参考書に書いてある通り。 スピーキング?リーディングを大量にこなせば自然に出来るようになる。リスニングはNHKのラジオ英 会話講座が良質でテキストも安くて良いと思う。実はそれだけではTOEFLには通用しなくて、専用のテ キストを買ってくる必要がある。ライティングは英文の独特の構造を学んだ上で、大量に練習すれば伸びるはず。
- 日本の学習法は細かい所にこだわりすぎる。また、遠慮しすぎ。
- 文法より、単語。単語より文。文より段落。段落より文章。3単元のSとか複数形なんてどうでも いい。
- 遠慮しないで、もっと皆で練習する事。
- 参考文献一覧
- 【G1】グローバルエリートの時代(Kindleサンプル版)。講談社。倉本由香利。2012年