仮説思考の真実
2022/9/24
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金輝俊 / Hwi Jun KIM
仮説思考。何だか、カッコいいね。マッキンゼー、ボスコン、戦略コンサルタント、キレ者、高いスーツ。そんなところだろうか。実際は泥臭い。そして、痛みを伴う。
筆者は元々、自然言語処理(NLP)の研究者だった。仮説を立て、式とプログラムに落とし、PDCAを回して、アルゴリズムの精度を上げていく。たいてい、3ヶ月くらいを研究に使っていた。その間、一回、短くて3時間、長くて1週間くらい計算し続けていた。Xeonを使ってである。
3ヶ月の間、何回も式とプログラムを修正する。修正仮説というやつだ。「今回は、ここがおかしかった。式をこう変えよう。」そうして、仮説をブラッシュアップしていく。これを何十回と繰り返す。
何回も仮説を修正する。何回も失敗しているのと同じだ。目を背けず、その痛みをきちんと受け止め、修正仮説を次々に出していく。そうして、数ヶ月後、結果を出す。
これは会社の戦略立案でも変わらない。常に痛みを伴う。アルゴリズム開発なら、最後の結果あるいは中間報告まで誰も知らないかもしれない。この仮説はいまいちだったってね。でも、マーケティング戦略で誰かに検証やデータ分析を頼んでいると、それは常に公になっている。組織で仮説検証を繰り返す時、これを乗り越えないといけない。
戦略、研究、仮説思考、PDCA。かっこいい響きかもしれない。でも、その実、痛みを伴う、泥臭い仕事の連続だと筆者は思っている。