NUCB MBAシリーズを読んで

2022/2/2
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金輝俊 / Hwi Jun KIM

戦略やMBA関連をもう一度復習しようと思って、NUCBシリーズをKindleで買って読んでいる。読んでいるのは戦略についてと、リーダーシップについて。いずれの本も前半を理論をコンパクトに簡潔に書いてあり、後半でケースを再現している。理論編は簡潔に分かりやすく書いてあり参考になった。過去、室長として参謀長を努めたが、お恥ずかしながら、ポーターを知らなかったので速攻でAmazonで買って拝読させていただいた。

さて、ここで本論に入る。これらの本でMBAのケースの再現を読む前に、MBAのケースに持っていた印象はMBA studentの想定年齢帯からいって、係長や課長補佐くらいは経験していて、自分たちの経験に照らし合わせて、自分はこういう経験をしていて、だから、この事象についてはこう思う。みたいな熱い議論が戦わせられるものだと思っていた。しかし、2つの本のケースの最初のものだけそれぞれ読んでみると99%、経験ベースでなく、悪い言い方をすると書生論で多少の考察はあるものの、そこまでインサイトに富んだものでなく、逆に衝撃を受けた。

実は筆者はある海外MBAから案内状をもらっていて(あくまでも招待状ではない)、海外MBAを数年後に検討していたが、果たしてそれなりの年月と数百万円を投じていいものか疑問に思うようになった。NUCBはそれほど有名校ではないと思うものの、あるランキングに言わせると国内MBAランキングでNo. 1らしい。海外でもこのくらいなのだろうか?

追記 2022/2/2:ある人からも指摘をもらったが、よくよく考えると筆者は31歳くらいでプロダクトマネージャー(課長待遇)で執行役員や取締役相手に議論していた。また、20代中盤で大学院で事実上のPI(Principal Investigator)として活動をしていた。サイズが小さいと言えど、ちょっと想定が高すぎたのかもしれない。決して、自分の事を凄いと言っているわけではない。また、最初のケース以外もスキャンして読んでみたが、後になると発言に厚みが増している事を確認した。後で、もう一度クリティカルに読んでから、書評の追記を書きたいと思う。

追記 2022/2/3:ただし、まだ全部クリティカルに読んだわけでは無いが、なぜMBA卒で戦略コンサルティングファームでアソシエイト採用なのか分かった気がする。よくよく考えるとMBA卒でマネージャーでもおかしくないのでは、年齢的にもそれが妥当ではないかと思ったが、MBA卒はそれには知見が薄いのかもしれない。逆の例で言うと、例えば、岩瀬さんは起業する前にあるヘッジファンドのVPになったと記憶しているが、それは岩瀬さんがベイカースカラーだからできた技ではないかと思う。

追記 2022/2/3:筆者作の高速開発フレームワークではデザインパターンのテクニックの応酬だと自覚しているが、過去のGoF本を踏襲しているものが多く、それほど定石を外していないというのが筆者の結論である。一方、戦略論ではポーターを読んだ限りではどこがとは言わないが、筆者の考え方や行った事は、やはりポーターに考え方が似ていると思った。LSD時代にはdual leadership、dual position、dual product managerなど、組織論を駆使した。そこそこ新しいが、玄孫をたどっていくとやはり戦略プロフェッショナルシリーズ、外資系戦略コンサルティングファームや外資系投資銀行の組織形態にたどり着き、そこまでは新しくないと思う。守離破でいうところの離くらいだと思っている。

追記 2022/2/12:クリティカルでないものの、戦略本の最後のケースを読んでみた。発現量が上がり、質が上がった事は認めるものの、やはり経験論は無く、書生論は言い過ぎだと認めるものの、ちょっと惜しいなと思った。しかし、一般事業会社で30前後で課長や部長になっているのは稀と言うよりないので、それは仕方ないのかなと思った。とは言え、これを課長になる前にライブでやったら、かなりの勉強になり、のちの管理職や指揮官として行動するのにかなり役に立つのではないかと思う。HBSなどに行ったら、また別の結論になるのかもしれないが、国内MBAだけで十分資本主義時代の士官学校として機能しているのかもしれない。

追記 2022/2/12:今回の事を契機にしてMBAの必須単位と思われる、戦略、リーダーシップ、マーケティング、ファイナンス、会計を新たに本を買って勉強し直してみた。まだ全部は読み終わってないが、現時点での感想を書く。NUCBシリーズは前にも書いたが理論編は簡潔明瞭で平易な書き方で読みやすく、また、ケースも読み方を変えればいい勉強になった。また、グロービスの実況シリーズも平易で読みやすい。グロービスのMBAシリーズは多少読みにくいものの、理論が上手くまとまっていて、コスパが良く、良著だと思った。

数冊のMBA系の本を通しての感想はディスラプティブな意見や理論は見られなかったものの、たまに抜け落ちている教科書的な知識の補強や思考の整理に役に立ったと思う。筆者は31で実務からMBA系の事を学びはじめたので、その面では参考になった。グロービス、NUCBの授業は行った事はないが、このレベルの教科書を書けるなら、きっと授業も面白いのかな、と思う。

冗長になるかもしれないが、あえて書く。MBAはなぜ最速で30前後で入学で、数学、コンピューターサイエンスはなぜ、早熟の天才が生まれるのであろうか?答えはおそらく、実験にある。物理の数値計算はあくまでも、シミュレーション。NLPの数値計算は数値実験。コンピューターサイエンスはCPUの中に閉じている。これがおそらく、答え。多分ね。

6年前、LSDで室長を勤めている時に全社員の前で言った事がある。「俺は10年以内で室長を辞める。10年以内に次世代の室長を目指してみろ」。当時のキャリアプランは室長を退任し、非常勤のスペシャリストとして勤務。どこかの高校で数学でも非常勤で教えようと思っていた。本当は大学で教えたいが、M.Phil(Upper Master)で博士がないため、高校で面白い実践的な数学でも教えようと思っていた。高校数学は極めれば、ロボット、検索エンジンやレコメンデーションエンジンを作れる。ちょうど私が50歳になるくらいの話である。なぜその年限なのか?答えは工場の垂直統合が完了するのが、そのくらいだと仮定したからである。筆者はまだ、実務でやり残した事がある。その後?海外MBAでも取って、55歳くらいになったら、どこかのビジネススクールで経営企画論でも教えようかな。

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