プロダクトマネージャーとは?
2018/10/4
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金輝俊 / Hwi Jun KIM
プロダクトマネージャーが難しい事は良く知られること。では、何が難しんだろう?例えば、プロダクトマネー ジャーが課長級で横串を指す部門長が部長級だったり執行役員級だったりするのはありがち。また、プロダクト マネージャーが一人だとこれも辛いと経験上分かる。
では、どういう時だとワークするのだろう?答えはチームと職権にある。筆者は以前、室長として戦術を用いて5 部門ほどからなる組織に横串をとおし、アーリーステージのベンチャーを成功に導いた。そのときの横串は一人 で横串をさすのではなく、執行役員と共同で横串をさした。執行役員は戦略、室長は戦術である。また、室長で あるため、通常の部長より階級が上で、部長に対する指揮権限もある。これは組織図にも表れている。
横串を指すときは三つのエッジを用いて横串を指した。具体的には数学、分析、ITである。筆者は例えば、右脳型のマーケティングはできない。こつこつ、日々真面目にオペレーションのタスクをこなしていくのにも向いていな い。バックオフィスの総務/経理なども同様である。そういうできないところはできる人にまかせ、筆者が絶対に他 人より勝っていると分かっている、数学、分析、ITの三つの力を使えば横串を指せると想定し、実際に行ってみ たら、できてしまった。
室長直属の部下もいて簡単なデータ収集や分析を頼む事ができる(直属の部下にデータ収集などを頼むのは 戦略コンサルタントのマネージャーや投資銀行のVPをモデルにしている)。筆者は以前、外資系グローバルIT 企業でのプロジェクトマネージャー経験があり、オフショアでメンバーが見えない中で英語を公用語として、10人 ほどのチームを操っていたので、インハウスで30 – 40人くらいを操るのはできなくはなかった。
室長として様々な事の分析に関わったが、全ての分析のバックボーンにあったのは財務会計とMBA的な知識と 経験だった。財務会計やマーケティング、戦略論などMBA的知識はかなり前から勉強していて、かつ、実戦経 験もあることから、そのあたりも室長あるいはプロダクトマネージャーとして成功する素養があったのだと思う。
三つのエッジ(数学、分析、IT)×プロマネ力(チームの力)×MBA的知識(財務/会計、マーケティング、戦略)×戦 略(執行役員)と戦術(室長)の共同での横串。これで横串を指し、変形型プロダクトマネージャー制を引いた。
このような経験と横串の刺し方から、ありがちな罠に陥る必要もなく、プロダクトマネージャーとして、組織を成功 に導くことができた。実際、当該組織は約10億円の増資を行い、シリーズCとなるミドルステージへ移行した。プ ロダクトマネージャーは難しく思われがちだが、成功はそんなに難しくないのである。