Web、TV業界の勃興と衰勢
2018/10/9
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金輝俊 / Hwi Jun KIM
テレビ業界は90年代くらいをピークとした。当時はそれが衰退するとは考えにくかった。2010年代にはすでに衰退の一途。
一方、1995年くらい、Web業界は最初何もなかった。NCSA Mosaic(Webブラウザ)とWebサーバーのみ。 NetscapeはPCをデバイスドライバにすると言っていたが、当時はWebアプリケーションは無いに等しかった。 我々、76世代はその何もないところに没入し、Webアプリケーションや検索エンジン開発に取り組む事になる( Netscapeのデバドラ構想はChromebookで結実してしまった!Voila!)。
オープンインターネットは基本的に静的ホームページと検索エンジンによって成り立っていた。最初はブログすらなく、検索エンジンとしてはinfoseekなどが使われていたが、精度が悪くて、あまり使い物にならなかった。そし て、2000年くらいに彗星のごとく現れたGoogle。かなり精度がよく、検索エンジンはこれで決定だった。そして、 Yahoo! Mail、delicious、はてなブックマークなどのWebアプリケーション、Movable typeやtypepadなどのブロ グが次々に現れ、オープンインターネットの世界が徐々に作られていった。
梅田望夫著作のWeb進化論は出版が2005年くらい。当時の状況をまとめ上げ、タギングし、未来を予測した。 オープンインターネットに残っていた最後のパーツは自動秩序形成システムであった。
当時、筆者はブログを対象に大量の数値実験を行っていた。その結果、筆者はオープンインターネットのデータ から人工知能や自然言語の機械翻訳エンジンの開発が可能だと判断し、その生成をもくろんでいたが、当時は まず、事業化しやすい、特殊な検索エンジンの研究開発に取り掛かった(注:一社目はERPの開発を目指してい たが、そっち方面に転向。詳細は別ドキュメント参照のこと。ちなみに、一社目在職中に英文ブログを書いてい たところ、アメリカのライブラリ開発チームであるdojoにネット上で軽く誘われた。他にもインドからコメントがつい たり、オープンインターネットの面白さを味わっていた。国境はあまり関係ないのである)。
そして、Twitterが現れる。最初はみなあまりマークしてなかったが、徐々に使われ始め、最終的に爆発的に普 及した。フォロー/フォロワーによるソーシャルフィルタリングが働く。正直、機械学習はソーシャルフィルタリング に負けたと思った。Twitterは自動秩序生成システムの一つであった。オープンインターネットの完成。
当時あるWeb系企業に属していたが、華美なオフィスに新卒/インターンは早稲田、慶応、京大ともう、Webはメジャーになっていた。2012年くらいの話。有名どころが来た時点でピークアウトしていると考えた方がいいと当時から思っていた。DeNAも新卒は東大で固まっていた。Web業界は実際、ピークアウトしていた。当時から今に 至るまで新しいものは生まれず、ミドルステージやレイターステージの会社を適当に回しているだけではなかろうか?VCもレイターステージの上場寸前に会社に株式を仕込んだり。いずれも結構簡単でまったり気味。まあ、 それはそれで平和でいいが。
テレビ業界がピークアウトした、10年くらいあとにWeb業界もピークアウト。案外、Web業界のピークアウトは早 かった。IT革命はWebだけではない。SIや事業会社でのビジネスの世界でもITの力によって、業務効率や業務 のやり方も変えられる。別にAIとか大げさなものではない。筆者はそちらの世界に行くだろう。