なぜベンチャーキャピタリストを志望職種に入れたか?
2017/6/12(2017/7/15更新)
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金輝俊 / Hwi Jun KIM
Curriculum Vitae(経歴書)に以前、下記のような志望職種を書いた。
- ベンチャーキャピタリスト
- 大学院生、プロダクトマネージャー/Chief IT Architect及びグロースハック室 室長としての経験から
- 対象インダストリー:IT系ハイテク企業
- 対象ステージ:シードステージ
CLONのChief IT Architect時代に遡る。当時、少なくとも私が知っているベンチャーキャピタリスト はハイテク分野 -すなわち自然言語処理分野のアルゴリズム開発- とバーンレートの設計、また、 プロダクトマーケティングなどの組み合わせができない。アルゴリズム開発そのものについて理 解していないのはある程度しょうがないと言えるかもしれない。しかし、バーンレートの設計、プロ ダクトマーケティング両者は知っていて当たり前と期待するものであるが、ともに理解していない のではないのかと、経験上、推論する。あるいは、後者二つはできたとしても、前者、すなわち、 アルゴリズム開発そのものに対する理解が甘い、などの理由によって、後者二つの知識あるい は経験がワークしないのではないかと思っている。
自然言語処理分野のアルゴリズム開発そのものは研究者としての能力を必要とするが、それに 対するベンチャーキャピタリストは必ずしも研究者としての深い経験を必要とするわけではない。 しかし、最低限、なんらかの理工学分野での経験、例えば、機械工学など隣接分野での修士号と 大学院での研究経験、とプラスして、上記のような財務/会計まわりとプロダクトマーケティングな どの知識及び、経験があれば、当時、Chief IT Architectとして自然言語処理分野でのアルゴリズ ム開発をしていた自分がかみ砕いて説明すれば、こちらが言っている事は説明できたであろう。 当時、関わっていた、ベンチャーキャピタリストはこれができないために、ビジネスとして、うまく回 らなかったと思う。
一方、非ハイテク分野 -例えば普通のweb系- ではベンチャーキャピタリストはある程度ワークす ることを経験上、知っている。ポイントは1. 自然言語処理分野でのアルゴリズム開発のような理 工学分野でのある程度レベルの高く、習得の難しい知識及び経験を必要としないこと、2. 非ハイ テク分野、例えば、通常のweb系ではベンチャーキャピタリストの過去の経験あるいは横のつな がりからある程度、経営側にポイントをついたアドバイスができると知っているからである。
確かにここ数年、人工知能分野でのベンチャーは出てきているが、果たして人工知能が流行る 前に投資を実行できたベンチャーキャピタリストはどれだけ存在するのであろうか?特に会社の 初期の段階、すなわちシードステージで、投資を実行するための知識及び経験を持っているベン チャーキャピタリストがどれだけ存在するのであろうか?
プロダクトマネージャー及び、Chief IT Architect時代は自然言語処理分野での研究開発を行っ てきたが、人工知能分野ではおそらく、2-3年で世界の最先端に出られる可能性が高いと思って いる。しかし、自分では二度とシードステージはやるつもりはなく、また、特に興味のある研究分野もない。
ただし、数度の増資のプレゼンに関わり、かつ、期間は短いが室長として役員の一歩手前で事実 上の2度目のプロダクトマネージャーとして30人、4部門ほどあるIT系事業会社、全社を統括し た。すなわち、1. 財務会計分析を含めた、ビジネスサイド、2. 増資のプレゼンなどベンチャー特 有の経験、3. また、アーリー及び、シードステージの自然言語処理分野での研究開発経験を積 んできた。したがって、能力的にはIT系ハイテクベンチャーに対応するベンチャーキャピタリストは できる可能性が高いと思っている。